2007年 10月 08日
1点目が完成(湘南の風景)
「水色の耀く朝」(水彩/46×34㎝/ワットマン)
「湘南の風景」の1点目「逗子マリーナのレストラン」が先ほど完成しました。
描き始めた時点で、この絵が最も描きやすいと思っていましたが、全く逆
でした。描き進むにつれて建物の硬い感じが出すぎて、柔らかい空間が
消えてしまいそうになったのです。水彩画の 描き始めは まだ色が薄く、
画面に空気のようなものが漂っていますが、色を塗り重ねるにつれて
妙に圧迫感のある画面になり、開放的な広がり(や空間)が失われて
しまうことが多々あります。制作終盤は何とかこの空間を保つのに終始
し、完成まで2週間も以上かかりました。
↑人気水彩画ブログ
1 (9月25日)
●青い色が鮮やかに耀く絵にしたいので、ワットマン紙で描くことにしました
●鉛筆で下書きをする
建物、椰子の木、手前のプールなどを鉛筆で下書きします。
白い建物が多いので、出来るだけ目立たないよう淡い線で描きます。
●塗り始める
風景の中で比較的色の濃い部分を大まかに塗り始めます。
明るい部分は極力塗らないように気をつけながら、暗い部分
を中心に塗り進めます。空とプールの水面はぼかし、円筒形
の建物の陰影はにじみで描きました。
2 (10月1日)
●色を塗り重ねて画面全体を濃くしていく
塗り重ねは(出来れば)2~3度で最終的な濃さになるようにします。
あまり塗り重ねると、既に塗ってある色が取れてムラになる恐れが
あるので、筆は柔らかい天然毛(ラファエル8404)を使いました。
●椰子の木を面相筆で描く
1で大まかに描いた椰子の木をさらに描き込みます。
葉の先は面相筆で尖るように描きます。実を言いうと椰子の木
の殆どは面相筆(アクリル毛)1本で描きました。細かい作業を
する時は面相筆が便利です。しかも毛足の長いものは筆を立て
て描くと細い線が、ねかせ毛の腹で描くと意外と大きな面が塗れ
るので、とても重宝しています。普通の丸筆よりも手早く描けますよ。
3 (10月5日)
●アクセントを付け画面を引き締める
画面全体がある程度の濃さになってきたので、細めの筆に
持ち替えて強くしたい部分だけ描くことにしました。
いつまでも太い筆で描いていると広い範囲に色が付きすぎ、
暗いトーンの絵になるのを避けたいからです。
4 (10月7日)
●色や明暗をチェック
3の時点でほぼ完成ですが、何処となく硬い感じがしましました。
色の濃淡に幅がないため、塗り絵のような単調な画面に少し意気
消沈していました。ここでもう少しアクセントをつけてみることにします。
まだ塗り足りない部分を濡らし、濃い色を置く。逆に暗くなり過ぎた部分
は水を含ませた筆で擦り、テッィシュでふきとる。こうすることで明暗に
幅をもたせようと試みました。最後に(画面内には寒色系の色が多かっ
たので)オレンジや黄色などの暖色を椰子の葉や他の数箇所に塗り、
暖かな感じになるようにしました。