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福井良佑の水彩画 Watercolor Terrace

1点目が完成(湘南の風景)

1点目が完成(湘南の風景)_f0006171_176234.jpg

「水色の耀く朝」(水彩/46×34㎝/ワットマン)
「湘南の風景」の1点目「逗子マリーナのレストラン」が先ほど完成しました。
描き始めた時点で、この絵が最も描きやすいと思っていましたが、全く逆
でした。描き進むにつれて建物の硬い感じが出すぎて、柔らかい空間が
消えてしまいそうになったのです。水彩画の 描き始めは まだ色が薄く、
画面に空気のようなものが漂っていますが、色を塗り重ねるにつれて
妙に圧迫感のある画面になり、開放的な広がり(や空間)が失われて
しまうことが多々あります。制作終盤は何とかこの空間を保つのに終始
し、完成まで2週間も以上かかりました。



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 (9月25日)
1点目が完成(湘南の風景)_f0006171_0223292.jpg

青い色が鮮やかに耀く絵にしたいので、ワットマン紙で描くことにしました 
鉛筆で下書きをする
  建物、椰子の木、手前のプールなどを鉛筆で下書きします。
  白い建物が多いので、出来るだけ目立たないよう淡い線で描きます。
塗り始める 
  風景の中で比較的色の濃い部分を大まかに塗り始めます。
  明るい部分は極力塗らないように気をつけながら、暗い部分
  を中心に塗り進めます。空とプールの水面はぼかし、円筒形
  の建物の陰影はにじみで描きました。

 (10月1日)
1点目が完成(湘南の風景)_f0006171_0261186.jpg

色を塗り重ねて画面全体を濃くしていく 
塗り重ねは(出来れば)2~3度で最終的な濃さになるようにします。
 あまり塗り重ねると、既に塗ってある色が取れてムラになる恐れが
 あるので、筆は柔らかい天然毛(ラファエル8404)を使いました。
椰子の木を面相筆で描く 
 1で大まかに描いた椰子の木をさらに描き込みます。
 葉の先は面相筆で尖るように描きます。実を言いうと椰子の木
 の殆どは面相筆(アクリル毛)1本で描きました。細かい作業を
 する時は面相筆が便利です。しかも毛足の長いものは筆を立て
 て描くと細い線が、ねかせ毛の腹で描くと意外と大きな面が塗れ
 るので、とても重宝しています。普通の丸筆よりも手早く描けますよ。

 (10月5日)
1点目が完成(湘南の風景)_f0006171_0263778.jpg

アクセントを付け画面を引き締める
 画面全体がある程度の濃さになってきたので、細めの筆に
 持ち替えて強くしたい部分だけ描くことにしました。
 いつまでも太い筆で描いていると広い範囲に色が付きすぎ、
 暗いトーンの絵になるのを避けたいからです。

4 (10月7日)
1点目が完成(湘南の風景)_f0006171_027033.jpg

色や明暗をチェック
 3の時点でほぼ完成ですが、何処となく硬い感じがしましました。
 色の濃淡に幅がないため、塗り絵のような単調な画面に少し意気
 消沈していました。ここでもう少しアクセントをつけてみることにします。
 まだ塗り足りない部分を濡らし、濃い色を置く。逆に暗くなり過ぎた部分
 は水を含ませた筆で擦り、テッィシュでふきとる。こうすることで明暗に
 幅をもたせようと試みました。最後に(画面内には寒色系の色が多かっ
 たので)オレンジや黄色などの暖色を椰子の葉や他の数箇所に塗り、
 暖かな感じになるようにしました。
by suisai1 | 2007-10-08 00:30 | 水彩技法・描き方